「好きなこと探し」は幸せの鍵か?
以前ジャーナリストの田原総一郎さんの語った言葉で考えさせられたことが
あります。「好きなこと探しだけでは幸せはつかめない」というものです。
今70歳を超える方たちが思春期だった頃、日本は敗戦直後で衣食住がまま
ならなかったことを私たちは知っています。当時の夫たちは生きていくために懸命
に働き、妻は子供を育てるために家庭を守りました。それぞれの役割は固定的
であったのです。
その頃贅沢はできなかったのでとにかく一生懸命に働いて生きていました。
そうするだけで精一杯な時代だったのです。言い換えるなら「好きなことを仕事
にする」なんていうのは二の次、思い浮かぶこともなかったかもしれません。
もちろん今のように仕事を変えるなんていうことはずっと難しかったでしょうし、
「自分にあった仕事が見つかるまでフリーターでいる」なんてことは考えられ
ませんでした。しかし、それが不幸だったかというと必ずしもそうではありませ
んでした。 『与えられた仕事の中で自分の能力を磨いていく』 『与えられた
仕事を自分の好きな仕事に変えていく』ことができたのです。そして、やがて
時代は高度経済成長の波に乗り人々の生活は向上していきました。努力が
報われたのです。
さて、時代は今に戻ります。ずいぶん不況の波も落ち着いてきました。
ほとんどの人は衣食住にも困っていません。仕事はどうでしょうか?
若い人たちも不況時に比べ幾分仕事も見つけやすくはなってきました。
合わなければ仕事を変えることさえできます。「フリーター、ニート」など
という言葉が日常化していますが、今の時代だからこそ増えているのでしょう。
どうしても事情があって「フリーター、ニート」を選択している人を除いて
「自分らしい生き方」「自分に合った仕事」を見つけるために、この道を選
んでいる人も少なくないはずです。
ここであなたに考えてほしい。確かに自分にあった道を探せる今という時代は
チャンスにあふれている時代だといえるかもしれません。しかし、働くべき年齢
にもなって探し続けるということが最善の道なのか?ということをです。
もし選んだ仕事が最善に見えなくっても「懸命にやって自分を磨いていく」
「その仕事を好きな仕事に変えていく」ことで自分を向上させる事が一番大切
なことではないでしょうか?私が塾であなたにとにかく一生懸命に勉強するよう
に励ましているのは同じ理由です。たとえ苦手な教科であっても一生懸命に
取り組んでほしい。そうして自分のものにすることができたときあなたは確実
に成長しているのです。この姿勢が必ずあなたの将来に役立つのです。
充実感とともに成長してほしい。その喜びを味わってほしい。そう願っています。
私はあなたには決して冷めた大人になってほしくはないと思います。
人は「好きなこと探しだけでは幸せはつかめないのです」
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